半導体とは?半導体製造を支える【テスタ】を知っていますか?

私たちが快適に生活するうえで、なくてはならない「半導体」。
「半導体」はPCやスマートフォン、自動車、家電など身近なさまざまなものに搭載されています。その、半導体を製造する際に必要不可欠な「テスタ」の存在をご存じですか?

半導体とは?

世の中には、「導体」と呼ばれる電気を通す物質と「絶縁体」と呼ばれる電気を通さない物質が存在しています。半導体とは、導体と絶縁体の中間的性質を持つ物質です。ゲルマニウムやシリコンなどの半導体は、温度によって電気を通したり電気を通さなかったり、電気抵抗率が変化する物質なのです。この性質を生かすことによって、電気の流れを制御することが可能になりました。
現在は広い意味で、半導体を材料にしたトランジスタ、ダイオードなどの素子単体、集積回路(IC)やLSIなども含めて半導体と呼ばれています。

スマートフォン分解イメージ

半導体の軌跡は1947年、アメリカのベル研究所で物理学者ジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテンによって、点接触型トランジスタが発見されたことから始まります。
1950年代には、多数の素子を一つにまとめた集積回路であるICや、大規模集積回路であるLSIが開発され、パソコンやワープロなどとともに、社会に浸透していきました。

2030年までには100兆円を突破する勢いの半導体市場ですが、半導体は私たちの生活に密接に関わっており、ほとんどの電化製品に搭載されるようになりました。
たとえば、スマートフォン、テレビ、パソコンを動かすCPU、エアコン、LED電球などの身近な家電から、銀行ATMや電車の運行、通信などの社会インフラにも普及しています。たとえば、スマートフォンには約50個もの半導体チップが使われ、データの処理や記録の際に利用されています。

現在、世界の年間半導体消費量は1兆個以上と言われています。世界の産業の自動化、デジタル化(5G、AI、クラウド)などの背景や、半導体技術の向上(小型化、効率化、省エネ)はより重要性が増し、進化しています。VR/AR、自動運転、EV化など新たな技術実現の重要な鍵をも握る身近に無くてはならない存在、それが半導体なのです。

半導体の大きさ

半導体技術の向上とともに半導体チップや回路自体のサイズも小さくなっています。
1977年の世界初の個人向けコンピュータの記憶容量は最大48キロバイトでした。その後、記憶容量は飛躍的に増えると同時に大きさ、重量はかなり小さくなりました。
現代では1テラバイトの容量が当たり前となりましたが、その背景として半導体回路技術が向上し、半導体の「集積度」が高まった点が挙げられます。
2023年現在、日系の半導体企業が回路幅2ナノメートル※ の半導体開発に着手しており、注目が集まっています。
※(1ナノメートルは1センチの1千万分の1「1cm=10,000,000nm」で、約髪の毛1本の太さの10万分の1)

半導体の種類

半導体の種類は、主に「ロジック半導体」「メモリ半導体」「その他」の3種類です。
「ロジック半導体」は、基本的な論理演算機能を持つ半導体を指します。
主にデータの処理や機器を制御するもので、例としてスマートフォンやパソコンに搭載されているCPUなどが挙げられます。
「メモリ半導体」はデータの記憶保持機能を持つ半導体を指します。
主にデータを格納するもので、例としてパソコンに搭載されているDRAMや、外部接続可能な記憶媒体のフラッシュメモリなどが挙げられます。
「その他」としては、高い電圧、大きな電流を扱える「パワー半導体」や、光や音、温度や湿度、圧力などを測定できる「アナログ半導体」などがあります。

半導体の製造工程

半導体製造に当たっては合計1000以上の工程が必要であり、それぞれの工程において極めて高いクリーン度が必要です。工程は設計および前工程・後工程に分類ができます。
【前工程】・・・ウエハー購入、成膜、露光と現像、エッチング、ドーピング、検査など
【後工程】・・・ダイシング、ワイヤボンディング、モールディング、検査など
※ 約1000チップを同時に作製

参考)半導体製造装置はたいへん高価です。 例えば先端半導体の製造に必要な露光装置
(EUV)はオランダASML社の独占市場になっていて、1台なんと200~400億円もします。

半導体テスタの大きな役割

半導体はスマートフォン、コンピュータ、自動車など多くの製品に欠かせない存在のため「産業のコメ」と言われます。最近では半導体がますます高度化し重要度が増しているため、「産業の脳」と呼ばれるケースもあります。
私たちの日常生活において欠くことができない重要な役割を担う半導体ですが、その品質と信頼性を確保し、問題や欠陥が無い製品を提供するために「半導体テスタ」で検査を行います。設計通りに動作するかどうかを検査します。半導体の種類ごとに、ロジック半導体向けには「ロジックテスタ」、メモリ半導体向けにはメモリテスタ、その他のアナログテスタに大きく分類されます。

半導体テスタは各種半導体の
・品質保証(正常動作するかをテスト)
・不良品の排除、高性能の確認(高速データ処理性能等テスト)
・安全性と信頼性の確保(例えば自動運転や医療機器、通信インフラ等)
・技術の進化(テスト方法の開発と改善、テスト時間短縮)
において非常に重要な役割を果たしています。
※回路幅3nm→2nmに進化すると検査に必要となる時間は20倍に爆増! 半導体のコストに直結!

「半導体テスタ」により私たちが日常的に使用する電子機器の品質と信頼性が維持され、より便利で安全安心な生活を送ることができるのです。


TOTOKUでは、そんな半導体検査に必要なさまざまな製品を開発しています。
詳しくは業種紹介ページをご覧ください。

まとめ

TOTOKUでは半導体関連製品はもちろん、それ以外にも私たちの生活を支えるさまざまな製品を扱っています。
どんなところにTOTOKUの製品が使われているのか、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


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