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同軸ケーブルと光回線の違いを徹底比較!選び方のポイントを解説

インターネットの利用には光回線が必要なイメージがありますが、同軸ケーブルも利用可能です。自宅にインターネット回線を整える際、どちらを選んだらよいか迷う人も多いのではないでしょうか。
本記事では、同軸ケーブルと光回線を比較し、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。選び方の目安についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
同軸ケーブルと光回線の特徴
インターネット回線には、大きく分けて2つの方式があります。一つは光ファイバーと同軸ケーブルを組み合わせたHFC方式の「同軸ケーブル回線」、もう一つは光ファイバーケーブルを使用するFTTH方式の「光回線」です。
これらは通信の仕組みがまったく異なるため、それぞれにメリットとデメリットがあります。ここでは、同軸ケーブルと光回線の基本的な特徴について解説します。
同軸ケーブルの特徴
同軸ケーブルは、中心の導体を絶縁体で覆い、その外側を編組シールドで保護する構造の導線です。同軸ケーブルのインターネット接続方法はHFC(Hybrid fiber coaxial)方式を使用しています。
HFC方式は、同軸ケーブルと光ファイバーそれぞれの長所を生かした配線方式です。局舎から街の中継所までは光ファイバーで高速通信を実現し、そこから各家庭までは既存のテレビ用同軸ケーブルを利用します。
この組み合わせにより、新規の光回線工事をせずにインターネットサービスを提供できるため、導入コストを抑えながら、比較的安定した通信環境を実現できます。また、既存のテレビ用ケーブルを流用できるため、新たな工事が不要なケースも多く、導入がスムーズです。ケーブルテレビと一緒に契約することで、テレビとインターネットをセットで利用できる点も特徴です。
光回線の特徴
光回線は、光ファイバーケーブルを使用して通信を行う通信方式です。光ファイバーケーブルは髪の毛と同じくらいの繊維でできており、3つの層で構成されています。
光回線では、FTTH(Fiber To The Home)方式を使用しています。FTTH方式は、通信事業者の局舎から各家庭まで光ファイバーケーブルを直接引き込む方式です。光ファイバーを終端まで引き込むことで、高速通信を実現しています。各家庭に設置されたONU(光回線終端装置)で光信号を電気信号に変換し、ルーターを介してインターネットに接続します。
家庭までの配線に光ファイバーを使用することで、大容量のデータ通信や動画視聴、オンラインゲームなどを快適に楽しむことができます。さらに、光電話や光テレビなどの付加サービスを利用できる点も魅力です。
同軸ケーブルと光回線の違い

同軸ケーブルと光回線の違いを次の3つのポイントで解説します。
- 配線方式
- 通信速度
- 使用料金
配線方式
前章の特徴で解説したとおり、同軸ケーブルはHFC方式、光回線はFTTH方式を使用しています。
同軸ケーブルの場合、建物にすでにテレビ用の配線が通っていれば、その設備を利用できるため、工事の手間が少なくて済みます。
一方、光回線は光ファイバーケーブルを新たに敷設する工事が必要です。建物の構造によっては、工事に時間がかかる場合があります。
ただし、光ファイバーケーブルは非常に細いため、配線後の見た目はすっきりとしています。マンションやアパートでは、建物の配線状況によって選択できる回線が限定される場合もあるため、光回線を使用するなら事前に確認しておきましょう。
通信速度
通信速度は、両者に大きな違いがあります。同軸ケーブルは、一般的に下り数百Mbpsから最大1Gbps程度の速度を提供していますが、実際の速度は利用環境や時間帯によって変動することがあります。十分な速度であるものの、複数のデバイスが同時に接続される家庭やオフィスでは、帯域幅が制約となるケースもあるでしょう。
一方、光回線は下り最大10Gbpsの超高速通信が可能で、安定した速度を維持できます。大容量のデータをダウンロードしたり、オンラインゲームを楽しんだりする場合は、光回線の方が有利です。
また、光回線は通常アップロードとダウンロードの速度が同じなので、大容量のファイルをクラウドにアップロードする際や、自宅でリモートワークをする際も便利です。一方、同軸ケーブルは非対称型の速度が一般的で、ダウンロードは速いもののアップロードは遅いのが特徴です。そのため、大量のデータをアップロードする際に時間がかかることがあります。
使用料金
料金面では、同軸ケーブルのほうが一般的に月額利用料が安価です。特にベーシックなプランであれば、手頃な価格で利用できるケースが多いのが魅力です。
同軸ケーブルは既存のテレビ用の配線を利用しているため、設備投資が少なく済みやすいといえます。また、パッケージ料金として、テレビや電話サービスと一緒に契約すれば、さらにお得になる場合もあります。
光回線は、初期工事費用や月額利用料が比較的高額になりますが、長期契約割引や複数サービスの同時契約による割引などで、実質的な負担を抑えることが可能です。ただし、プロバイダー料金や機器レンタル料が別途必要になる場合もあるため、総額で比較することをおすすめします。
同軸ケーブルのメリット・デメリット
同軸ケーブルを選ぶ際に、知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
光回線との比較と併せてチェックしておきましょう。
同軸ケーブルのメリット
同軸ケーブルで押さえておきたいメリットは次の2つです。
- 光回線に対応していないエリアで利用できる
- アンテナを設置せずにテレビを楽しめる
光回線に対応していないエリアで利用できる
インターネット回線の整備状況は地域によって大きく異なります。光回線は高速で安定した通信を実現できる一方で、すべての地域で利用できるわけではありません。特に郊外や山間部などのエリアでは光回線の整備が進んでいない場合が多く、またマンションやアパートでは建物の構造上、光回線の導入が難しいケースもあります。
そのような地域でも、同軸ケーブルであれば既存のケーブルテレビの回線を利用してインターネットに接続可能です。同軸ケーブルは光ファイバーと比べて設置が容易で、建物の構造による制限も少ないため、光回線の工事が困難な場所でも導入しやすいというメリットがあります。
そのため、居住地域で光回線の提供がない場合や、事業者から工事を断られた場合は、同軸ケーブルのインターネット回線を検討することをおすすめします。
アンテナを設置せずにテレビを楽しめる
通常、テレビ放送を受信するためには屋外にアンテナを設置する必要がありますが、同軸ケーブルを利用すればその手間を省くことが可能です。特に、マンションやアパートでアンテナの設置が制限されている場合や、電波の受信状態が悪い地域では、大きなメリットとなるでしょう。
ケーブルテレビのサービスを利用すれば、地上波放送はもちろん、BSやCSなどの衛星放送も、屋外アンテナを設置することなく視聴できます。
同軸ケーブルのデメリット
一方で、同軸ケーブルには次のようなデメリットがあります。
- 故障しやすい
- 対応エリアが限られる
サービスを契約する前に、デメリットについても十分に理解しておきましょう。
故障しやすい
同軸ケーブルで使用しているHFC方式は、同軸ケーブルと光ファイバーを組み合わせた仕組みを使用しているため、システム全体の故障リスクが高くなりやすいところがデメリットです。
通信環境を維持するために、主要な機器室から各家庭まで数十個もの電気機器を経由する必要があり、その中の一つでも故障すると通信が途切れてしまいます。また、これらの機器は電気で動作するため故障しやすく、停電時にはサービス自体が提供できなくなってしまうリスクがある点を考慮する必要があるでしょう。
機器の故障が発生した場合はインターネット提供会社による復旧作業が必要となり、完全な復旧までには数時間程度を要します。そのため、同軸ケーブルはシステム構成上の特徴から、光回線と比べてサービスの安定性が低くなる傾向にあります。
対応エリアが限られる
同軸ケーブルは、ケーブルテレビ会社のサービスエリア内でしか利用できません。そのため、引っ越しの際に新しい住所ではサービスが利用できない可能性があります。
また、同じ市区町村内でも、エリアによってはサービスを提供していない場合もあります。
同軸ケーブルを使用する際には、自分の居住地域がサービス提供エリアに含まれているかどうかを確認しておきましょう。
光回線のメリット・デメリット

次に、光回線のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
光回線のメリット
光回線で押さえておきたいメリットは次の2つです。
- インターネット回線が安定している
- 光電話や光テレビを利用できる
インターネット回線が安定している
光回線は速度の速さに加えて、通信の安定性も大きなメリットです。光回線は光ファイバーケーブルを使用してデータを伝送しますが、これは電気信号ではなく光を用いるため、電磁的な干渉を受けにくいという特性を持っています。このため、天候や周囲の電子機器の影響を受けずに、安定したインターネット環境の維持が可能です。
さらに、光回線は通常、専用線として各家庭に直接引かれるため、複数のユーザーが同時に利用しても通信速度が大きく低下しにくいという特徴があります。そのため、ピークタイムでも速度低下が起きにくく、常に快適なインターネットを使用できます。
光電話や光テレビを利用可能
光回線では、インターネット接続以外にもさまざまな付加サービスを利用できます。光電話サービスは、従来の固定電話と比べて通話料金が安価で、高音質な通話が可能です。
光テレビは、ケーブルテレビに匹敵する高画質かつ多チャンネルの放送を楽しむことができるサービスです。特に、4Kや8Kといった高解像度の映像を視聴する際には、光回線の高速性がその真価を発揮します。
このようなサービスをセットで契約することで、割引が適用されたりする場合もあるので、自分のニーズに合ったプランがあるかどうか調べてみましょう。
光回線のデメリット
光回線のデメリットは次の2点を覚えておきましょう。
- 解約費用が比較的高い
- 開通工事に時間がかかる
解約費用が比較的高い
光回線は、高速で安定したインターネット接続を提供するため、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢です。しかし、その一方で、光回線を解約する際にかかる費用は、ほかのインターネット接続方式と比べて高額になることが多いとされています。
特に、契約期間中に解約を行う場合には、違約金が発生することが一般的です。違約金は、契約時に定められた期間を満了する前に解約することに対するペナルティとして課されます。多くのプロバイダーでは、契約期間を2年または3年と設定しているため、契約途中での解約を検討する際には、この違約金が大きな負担になる可能性があります。
開通工事に時間がかかる
光回線を新規に導入する場合、建物への光ファイバーケーブルの引き込み工事が必要です。この工事には、申し込みから実際の開通まで数週間から1カ月程度かかることがあります。
また、マンションやアパートでは、建物の管理者の承認が必要だったり、工事可能な時間帯が制限されたりする場合もあります。すぐにインターネットを利用したい場合は、この開通までの期間を考慮に入れて、計画的に申し込みを行うようにしましょう。
同軸ケーブルがおすすめな人のタイプ
初期費用を抑えたい人には同軸ケーブルが向いています。光回線では新規の工事が必要となりますが、同軸ケーブルは既存のインフラを利用できるため、導入時のコストを低く抑えることができます。
通信速度よりも導入のしやすさや料金を重視する人に特におすすめです。メールやSNSの利用が主で、光回線のような超高速通信は必要ない人も、安定した必要最低限の速度を確保できる同軸ケーブルで十分な場合があります。
また、すでにケーブルテレビを契約している家庭なら、インターネットとテレビのサービスをまとめて利用することで、料金が割安になるプランもあります。コストパフォーマンスを求めるなら検討する価値があるといえるでしょう。
光回線がおすすめな人のタイプ
光回線は、高速で安定したインターネット環境が必要な人に向いています。特に、動画配信サービスを頻繁に利用する、オンラインゲームを頻繁にプレイする、テレワークで大容量のデータをやり取りする人は、光回線がおすすめです。
また、家族で複数の端末を同時に使用する世帯や、4K・8K映像を楽しみたい場合にも適しています。家族全員が同時にインターネットを利用する場合でも、帯域幅が広いため、速度低下を気にせず快適に利用できます。
将来的なインターネット利用の増加を見据えている人や、通信環境の安定性を重視する人も、光回線を選択することで快適なインターネット生活を実現できるでしょう。
まとめ
同軸ケーブルと光回線、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。選び方のポイントは利用目的と必要な通信速度、予算、居住地にサービスが対応しているかの3点です。
インターネット回線の選択は、現在の利用状況だけでなく、将来的なニーズも考慮して決めることをおすすめします。また、契約前に必ず自宅のエリアで利用可能かどうかを確認し、料金プランや付帯サービスについても詳しく検討するようにしましょう。
迷った場合は、各事業者に相談することで、自分に合った回線を見つけることができます。快適なインターネット環境を実現するために、この記事を参考に、じっくりと検討してください。
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