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同軸ケーブル 3c 4c 5cの違いとは?距離・用途別の選び方を解説

同軸ケーブルの規格選びは、映像・音声の品質に直結する重要なポイントです。配線距離や用途に応じて適切な規格を選ぶことで、安定した視聴環境を実現できるようになります。
そこで、この記事では、同軸ケーブルの選び方に迷っている方へ向けて、3C/4C/5Cの特徴や距離別のおすすめ規格について詳しく解説します。ケーブル選びの参考として、ぜひ最後までお読みください。
同軸ケーブル3C/4C/5Cの特徴
同軸ケーブルには主に3C/4C/5Cの3種類があり、それぞれ太さや性能が異なります。用途や配線距離に応じて、適切なケーブルを選択することが重要です。
ここでは、各ケーブルの特徴を詳しく説明します。
3Cケーブルの特徴
3Cケーブルは外径約5.4mmともっとも細く、柔軟性に優れています。テレビ周辺の短距離配線に最適で、取り扱いが容易なため、初心者でも配線作業がしやすいのが特徴です。ただし、3m以上の長さになると電波が弱くなりやすい特性があるため、使用距離には注意が必要です。
特性インピーダンスは75Ωで、外部からのノイズを防ぐ構造により、安定した映像・音声信号の伝送が可能です。
4Cケーブルの特徴
4Cケーブルは、外径約6.0mmの中間的な太さを持つ同軸ケーブルで、室内配線のメインケーブルとして広く使用されています。
特性インピーダンスは75Ωで、外部からのノイズを効果的に遮断する2重シールド構造を採用しており、4K/8K放送にも対応した高品質な信号伝送が可能です。
被覆が5Cケーブルと比べて薄く設計されているため、柔軟性に優れており、室内での取り回しがしやすいです。比較的軽量で、一般的な室内配線作業でも扱いやすいといえるでしょう。
また、絶縁体に発泡ポリエチレンを使用することで、信号の減衰を抑える低損失設計となっています。一般家庭での使用に最適な、バランスの取れた仕様となっているため、室内配線の標準的な選択肢として推奨されています。
5Cケーブルの特徴
5Cケーブルは外径約7.7mmと3種類の中でもっとも太く、長距離配線に適した高性能な同軸ケーブルです。2重シールド構造を採用しており、外部からのノイズを効果的に遮断するため、4K/8K放送の受信にも対応した安定した信号伝送が可能です。
内部構造には発泡ポリエチレンを絶縁体として使用し、信号の減衰を最小限に抑える低損失設計となっています。概算質量は約63kg/kmと重めですが、その分電波の伝送効率が高く、10m以上の長距離配線でも安定した画質を維持できます。
また、屋外での使用にも耐える耐久性を備えており、地上波デジタル放送からBS/CS放送まで、幅広い周波数帯域で安定した伝送特性を発揮します。ただし、太さと重量のため取り回しはやや難しく、狭い場所での配線作業には適していません。
同軸ケーブルの距離別おすすめ規格

同軸ケーブルは配線距離によって最適な規格が異なります。短距離、中距離、長距離のそれぞれの場合で、信号の減衰や取り回しやすさを考慮して選択することが必要です。
ここでは、配線距離別に最適なケーブル規格を解説します。
短距離配線(3m以下)
短距離配線では3Cケーブルが最適です。直径約5.4mmと細めの設計で、テレビ周辺機器の接続に適した柔軟性を備えています。特にテレビとレコーダーなど、機器間の近距離接続において扱いやすく、狭いスペースでの配線作業がスムーズに行えます。
3m以下の配線では電気信号の減衰が少ないため、太いケーブルを使用する必要性は低くなります。むしろ、細めのケーブルのほうが取り回しがよく、配線をすっきりとまとめることができます。
中距離配線(3~10m)
中距離配線では4Cケーブルが最適な選択肢です。直径約6mmの太さで、減衰量と配線のしやすさのバランスが取れており、室内でのメイン配線として広く使用されています。
一般的な6畳から8畳程度の部屋での配線に適しており、壁面のアンテナ端子からテレビまでの距離が離れている場合でも、安定した映像品質を維持できます。
特に10m以下の配線では、信号の減衰を抑えながら画質を保持することが可能です。また、複数の機器を接続する場合でも、配線をすっきりとまとめやすいのが特徴です。
長距離配線(10m以上)
長距離配線では5Cケーブルが最適です。直径約7.7mmと太めの設計で、10mから20m程度の長距離配線でも安定した信号伝送が可能です。一戸建て住宅でのアンテナからテレビまでの配線や、部屋をまたいでの接続にも適しています。
特に屋外からの引き込み配線や共同受信設備での使用において、5Cケーブルは優れた性能を発揮します。2重シールド構造により外部からのノイズを効果的に遮断するため、長距離でも高品質な映像伝送が可能です。
さらに長距離の配線が必要な場合は、7Cケーブルの使用を検討します。直径約10mmと太く、20mから50m程度の配線に対応しており、マンションやビルなどの共同受信設備での使用に適しています。
同軸ケーブル3C/4C/5Cの用途別選び方
用途によって最適な同軸ケーブルは異なります。機器の接続環境や使用目的に応じて、適切なケーブルを選択することで、より効率的な配線が可能になります。
3Cケーブルの主な用途
3Cケーブルは、テレビ周辺での短距離配線に特化しています。主な用途は、テレビとレコーダーを接続する際の機器間配線や、アンテナ端子からテレビまでの短距離配線です。
柔軟性が高く、狭いAVラックの中でも自由に配線できるため、複数の機器を接続する際にケーブルを扱いやすいです。また、監視カメラや防犯カメラなどの映像機器の配線にも向いています。3m以内の配線であれば、信号の安定性も十分に確保できるでしょう。
4Cケーブルの主な用途
4Cケーブルは、一般家庭での室内配線のメインケーブルとしておすすめです。壁沿いの配線や家具の裏での配線作業がしやすく、一般的な室内配線に最適なバランスを備えています。
テレビ周りの複数機器の接続にも適しており、レコーダーやゲーム機など、複数の機器を接続する場合でも配線をすっきりとまとめることができます。
5Cケーブルの主な用途
5Cケーブルは、長距離配線や屋外配線に最適です。特に共同住宅でのアンテナ引き込み配線や、建物の基幹配線として使用されています。
また、4K/8K放送の視聴を主目的とする場合や、安定した高品質な映像信号が必要な場合にも推奨されます。ただし、取り回しの難しさを考慮して、必要な場合のみ使用するとよいでしょう。
同軸ケーブルの選ぶ際に重要なポイント

同軸ケーブルを選ぶ際には、いくつかの確認ポイントがあります。これらを適切に判断することで、安定した映像・音声信号の伝送が可能になります。
インピーダンスを確認する
同軸ケーブルを選ぶ際、もっとも重要なポイントはインピーダンスの確認です。インピーダンスとは交流回路における電気抵抗の値を表し、テレビ用は75Ω、無線機器用は50Ωが一般的です。接続する機器のインピーダンスと同軸ケーブルのインピーダンスが一致していないと、信号の反射やゆがみが発生し、映像品質や通信品質が著しく低下してしまいます。
JIS規格では、製品名に「D」が付くものは50Ω、「C」が付くものは75Ωを表しているため、購入時の目安として活用できます。インピーダンスは同軸ケーブルの構造によって決まる値で、長さに関係なく一定の値を保ちます。
配線距離に応じた太さを選ぶ
同軸ケーブルは配線距離によって適切な太さを選択する必要があります。3m以下の短距離配線では3Cケーブル、5mから10mの中距離配線では4Cケーブル、10m以上の長距離配線では5Cケーブルが推奨されます。
太いケーブルほど信号の減衰を防ぐ効果が高く、特に4K/8K放送のような高周波信号を長距離伝送する場合は、より太いケーブルが必要です。ただし、太いケーブルは曲がりにくく設置作業が難しくなるため、配線環境に応じて適切な太さを選ぶことが重要です。
4K/8K放送を視聴する場合は放送規格を確認する
4K/8K放送は従来の放送と比べてより高い周波数(3224MHzまで)を使用するため、専用の同軸ケーブルが必要です。4K/8K放送対応の同軸ケーブルを選ぶ際は、品名記号が「S」で始まるものか、パッケージに「4K/8K対応」と明記された製品を選びましょう。
これらの製品は高周波でも信号の減衰が少なく、外部からのノイズを効果的に遮断する構造になっています。JIS規格で性能や特性が定められており、信頼性の高い製品となっています。ケーブルを選ぶ際は、インピーダンスが75Ωであることと、3224MHzまでの周波数に対応していることを確認することが重要です。
まとめ
同軸ケーブルを選ぶ際は、配線距離と用途に応じて適切な規格を選ぶことが重要です。短距離配線には柔軟性の高い3Cケーブル、一般的な室内配線には扱いやすい4Cケーブル、10m以上の長距離配線には高性能な5Cケーブルが最適です。
また、4K/8K放送の視聴時は対応規格の確認を忘れずに行い、インピーダンスが接続機器と一致していることを確認しましょう。適切なケーブルを選択することで、安定した映像・音声信号の伝送が可能になります。
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マイクロウェーブ用同軸ケーブルアセンブリ 標準仕様
DC~145GHzまでのマイクロウェーブ帯域で使用可能な同軸ケーブルアセンブリです。※ TCF107、TCF119アセンブリは高柔軟アーマー補強タイプが標準仕様です。
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